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FIT制度のこれから-「卒FIT」への取り組み

2020.09.04

#お金のハナシ

皆さんは「FIT(フィット)」という言葉を聞かれたことがありますか?

FITとは再生可能エネルギーの固定価格買取制度のことです。太陽光発電など創エネに興味がある方は、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

ちなみにFITは、Feed-in Tariffの略。Feed-in は「~を与える、入れる」、Tariffには「関税、関税率、料金表」などの意味があり、再生可能エネルギーを導入した際のコスト負担を買取価格に「入れ込んだ料金体系」と言うことで、固定価格買取制度と訳されています。

FITは太陽光発電などの再生可能エネルギーを普及させるために制定された制度で、一定期間は国が定めた価格で電力会社などが固定で買取るという制度のことです。このFIT制度の前身として、住宅用太陽光発電等による余剰電力を『10年間』、固定価格で買い取る『余剰電力買取制度』が2009年11月に開始されました。

当時の買取価格は48円で、諸外国に比べても高値に設定されており、こうした背景もあって太陽光発電は急速に普及していったのです。

売電単価が高値だった理由-電気料金を支払うみんなで支えられている

なぜ電力会社が高値で電気を買い取ってくれるのかというと、実は「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」という名目で、電力会社が買取制度で電気を買い取るための費用を、各家庭から一律で徴収しているからです。再エネ賦課金は、太陽光発電を設置した人の利益に充てられます。

つまり、太陽光発電を設置していない家は損をしていると言っても過言ではありません。ちなみに再エネ賦課金は、年々負担増の傾向で、2020年度の賦課金単価は、1kWh当たり2.98円。目安として一ヶ月の電力使用量が260kWhのモデルの負担額を見ると、年額9,288円、月額774円となります。標準的なご家庭で年1万円ほど負担していることになります。ご存じなかった方はこの機会にぜひ電気料金の請求書をご覧ください。ちなみに2014年度は0.22円でしたので13.5倍になっており、年々増加の傾向にあります。

卒FITとは

2009年にFIT法が施行されてから2019年でついに10年が経過し、固定価格での買取が終わったことを「卒FIT」と呼ぶようになりました。

昨年(2019年)にはニュースで「卒FIT」とよく話題になっていたので、家づくりを考えたことがなくても、ご存じの方が多いかもしれません。

山口県・広島県の大手電力会社である中国電力は2019年以降も売電を続けていますが、その買取価格は現在7.15円。

つまり卒FITの方の売電価格は48円から一気に7.15円に下がってしまうということになっているのです。


卒FITは今後どうするか?-3つの選択肢

卒FITの今後をどうするか、大きく分けて3つの選択肢があると言えます。

これまで通り大手電力会社で売電を行う。

売電価格は大幅に下がってしまいますが、電力プランなどに頼っている人が多いと思うので、これまでと同じように売電することができるようになっています。

新規参入の電力会社に売電する

少し前から電力業界にたくさんの企業が参入してきており、そういった企業も売電を行うことができます。

売電価格については企業によって様々ですが、大手と比べて0.5円~1円程度高く設定されているところが多いです。

ほとんどの場合は電力配給の契約をその会社を結ぶ必要があるので、大手の電力会社と契約している場合は電力プランを変更する必要があります。

エルクホームズでも「エルクでんき」という100%CO₂フリー電気の供給/買取サービスを、卒FITを迎えられたお施主様向けにご用意していますので是非お問合せください。

蓄電して自家消費する

3つ目の選択肢は発電した電力は完全に自宅で消費するというものです。

買電価格(電力会社に支払ういわゆる電気代)はだいたい1kWあたり20円ぐらいになっているため普通に生活していれば売電価格よりも買電価格の方が高くなってしまいます。

そのため自宅でそのまま消費してしまった方が得をすることになるということです。

ですが自宅で消費するためには蓄電池を利用する必要もあり、まだ設置していない人は追加で費用が発生することにもなります。

もし所有しているなら電気自動車のバッテリーに蓄えるという手もありますが、まだあまり普及していないので持っている方も少ないでしょう。

また、電気代は年々増加傾向にあります。ブログの中ほどで、「再エネ賦課金が負担増の傾向にある」とご紹介しましたが、電気を作るための燃料の値上げや、原子力発電所の停止の影響を受けて、実は電気代単価自体も年々増えています。

社会情勢に左右されますが、「電気料金が安くなる」という見通しは、あまり聞かないように思います。

蓄電機器があれば、高い電気を買うよりは、できるだけ自分達で使った方が経済メリットは大きく、スマートに電気を使うことができます。

また、近年は、相次ぐ自然災害によって停電に備える必要性を、多くの人が目の当たりにし、蓄電池が注目されることになり、災害対策としても、蓄電池が注目されているのです。

日常時は月々の電気代をお得に、停電時には家を、家族を守る。

蓄電池と太陽光発電で省エネと安心の両方を手に入れませんか?

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