【プロが解説】注文住宅で後悔しないビルトインガレージの設計ポイント
2025.06.26
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#家づくりノウハウ
新築注文住宅で人気の「ビルトインガレージ(インナーガレージ)」。
雨の日でも濡れずに車に乗り降りできる快適さや、防犯性の高さ、趣味空間としての活用など、多くの魅力があります。しかし一方で、実際に建てた方からは「もっとこうすればよかった」という声も少なくありません。
この記事ではビルトインガレージを設計する際に押さえておきたいポイントを、プロの視点からわかりやすく解説します。後悔しないためのヒントをぜひチェックしてください。
ビルトインガレージの「魅力」とは?
まずは、なぜビルトインガレージが人気なのか、その主なメリットを見てみましょう。
・雨や雪の日でも濡れずに出入りできる
・車からそのまま室内へ移動可能で防犯性が高い
・荷物の積み下ろしがラク
・アウトドア用品やDIY道具等の収納・作業スペースにも使える
・デザイン性の高い外観が実現できる
単なる駐車スペース以上に「生活動線の一部」としての利便性が評価されています。
設計でよくある「後悔ポイント」とは?
ビルトインガレージの設計は、単に駐車場に屋根を付けたらいいという物ではありません。駐車スペース以上に機能的な空間にするためには、想像以上に検討すべき点が多くあります。
ここではビルトインガレージの後悔ポイントでよくある例をご紹介します。
1.車のサイズに合わない広さだった
車のサイズギリギリで設計すると、乗り降りやドアの開閉が非常に困難になります。特にミニバンやSUVなど大きいサイズの車を所有している場合は、開閉するドアの大きさも考慮して、車幅よりも最低1m程度の余裕を見ておきましょう。
また今後の車の買い替えによるサイズ変更や台数増加も考慮した駐車設計が重要です。
2.収納スペースを確保していなかった
ガレージ内にタイヤ、工具、アウトドア用品などを置きたい人は多いものの、設計段階で収納スペースを考えていなかったというケースも多数あります。壁面収納や棚の設置スペースも忘れずに検討しておきましょう。
3.室内への音や臭いの配慮が足りなかった
ビルトインガレージの壁を挟んですぐ隣にリビングや寝室がある場合、エンジン音や排気ガスのにおいが気になることがあります。遮音・断熱材の設計や換気設備の設置などをしっかり計画することが大切です。
設計で押さえるべき「5つのポイント」
ここではビルトインガレージをより使い勝手よくするためにしておきたいポイントをご紹介します。
1.車の出し入れのしやすさを最優先に
出入口の幅、勾配、道路との高低差、扉の開閉方向までチェックしましょう。シャッターは、予算との兼ね合いもありますが電動タイプにすることで日々の使い勝手も良いのでおすすめです。
2.床面の防水と勾配に注意
ビルトインガレージの床が外部とフラットになっていると、雨水や洗車の水が家の中に流れ込んでしまう心配があります。そうならないように、床には適度な勾配と排水口を設けることが重要です。床面はコンクリート下地モルタル仕上げやカラークリート仕上げがおすすめです。
3.換気と断熱のバランス
ガレージは外気に近い空間になるため特に夏は暑くなってしまいがちです。換気扇や高窓等の設置で空気の流れを確保しつつ、隣接する部屋への断熱対策を行うことで夏や冬の過酷な環境でも住まいへの影響を抑えることができます。
4.照明やコンセント配置は実用性重視
夜間の出入りや作業を考えて、センサー付き照明・作業用ライトを確保しておきましょう。ビルトインガレージ内では電化製品を使う場面も多く、またいつかは電気自動車に買い替えることもあるかもしれません。複数の電源コンセントを予め配置しておくほか、将来的にはEV充電用電源コンセントの設置も検討しましょう。
5.屋内の間取りと動線を連動させる
ビルトインガレージは駐車場よりも間取りに「車のある生活」が密接に関わるため、動線にも車からの流れを含めるとより使い勝手が良くなります。
たとえば買い物帰りに荷物をそのままキッチンへ搬入という動線を意識して、ガレージ・玄関・キッチンとのつながりを意識した間取りにすることで、生活のしやすさが格段に向上します。
ビルトインガレージの「コスト」についても要注意
一般的にビルトインガレージを設けると、坪単価は上がる傾向があります。理由としては耐震性確保のための構造強化、シャッターや換気設備の追加などがあるためです。
ただし駐車スペースを建物内に収めることで狭小地など最低限の土地面積で建築できるというメリットもあります。また外構費が抑えられる傾向にあり、トータルで見ればコストパフォーマンスが良い場合もあります。
まとめ
ビルトインガレージは、ただ車を駐車するだけの空間ではありません。生活の質や家全体の使い勝手に直結する重要な要素となります。
「車が入ればOK」ではなく、「快適に、安全に、便利に使い続けられるか?」という視点で、設計段階からしっかり考えていくことが、後悔のない新築注文住宅を実現するカギになります。
エルクホームズには経験豊富な設計士が在籍しており、過去の事例や施工写真をもとにお客様の将来的な使い方や家族のライフスタイルまで考えたガレージ設計をご提示いたします。
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